ドラクエ11で魔王ウルノーガの配下として登場する六軍王。
その中の2人ブギーとキラゴルドが取った戦略の比較をしてどちらが優秀か考えてみたいと思います。
六軍王ブギーとキラゴルドの概要
- ブギー:グロッタの町を支配下においた六軍王で肩書きは「妖魔軍王」
- キラゴルド:クレイモランを窮地に追い込んだ六軍王で肩書きは「鉄鬼軍王」
主人公たちが戦う順番で言えばブギーは六軍王の中で2番目、キラゴルドが4番目なのでゲーム上のステータスとして優れているのはキラゴルドの方ですが、今回はそういった視点ではなく、彼らがどのように人間たちの領土を侵略していったかに着目したいと思います。
ブギーとキラゴルドの共通点
今回この2人を比較の対象としたのは、どちらも人間をモンスターに変えて支配することができるという共通の能力を持っているからです。
しかし、似た能力を持ちながらブギーとキラゴルドが取った戦略は真逆とも言えるものでした。
ブギーの戦略
風貌や言動からぱっと見頭の回転が悪そうに見えるブギーですが、彼の取った戦略はなかなか狡猾です。
その戦略とは、闘士の町として有名だったグロッタをカジノの町に作り変えて、欲に目がくらんだ人間をモンスターに変えることで自分の支配下におくというものでした。
マルティナをはじめ、過去に主人公が仮面武闘会で戦った腕に覚えのある闘士たちが軒並みブギーの術中に嵌っており、強者であっても服従させられてしまうのがブギーの力の怖いところだと思います。
また、ブギーが取った戦略のポイントはグロッタの町が楽園であるという噂を吹聴して他地域の人間を集めているという点。実際に主人公たちがグロッタに向かう途中でも楽園の噂を聞きつけてやって来たあらくれとその弟分に出会います。
命の大樹が崩落して人々の心が絶望で染まっているという背景があるので、そんな弱っている人の心につけ込んで多くの人間を支配下におこうとするあたりにブギーの思慮深さが伺えます。
シリーズで言うと、ドラクエ6のジャミラスが支配していた「しあわせの国」を彷彿とさせる戦略ですね。
キラゴルドの戦略
外部からの人間も取り込んで支配下におこうとする姿勢を取ったブギーに対して、キラゴルドは逆に黄金の氷塊を出現させて陸路や海路を遮断し、クレイモランを孤立させるという戦略を取っていました。
そして生物を黄金に変えてしまう力を使い、
- ある日突然体が黄金に変わってしまう黄金病という未知の疫病
- 外部に逃げられず、助けも期待できない閉鎖空間
という状況を作り出してクレイモランを絶望に陥れました。
ブギーの支配方法の優秀な点
両者の違いで最大のポイントは相手に苦しみを与えるかどうかという点にあります。
ブギーが支配するモンスター化した人間たちは欲望のままに生活している様子が見える一方、クレイモランでは未知の病気に怯えて外出もままならずに絶望する国民たちの姿が印象的です。
キラゴルドの侵略の方法が悪いわけではありませんが、追い詰められた人間は何をするか分からないものです。
結果としてクレイモランの国民は黄金病が人為的なものであると言うことすら突き止められずにいましたが、なんらかの形で自分の存在を突き止められ国を挙げての反撃に出られていた可能性もあるわけです。それでもキラゴルドが負けることは万に一つもないとは思いますが、不要な危険因子は排除した方が良いはずです。ドラクエの悪役は慢心の隙を突かれてやられることが多いですからね。
一方、ブギーの戦略では
- 反乱を起こされる危険性が極めて低い
- グロッタの町以外の人間の取り込みにも成功している(=影響範囲が広い)
という2つの点でキラゴルドよりも優れています。
ただ、この辺りはキラゴルド(マヤ)が過去の恵まれない生い立ちに引きずられて行動している節があるので、磐石な支配体制を築くという視点で見ると穴が目立つのも仕方のないことなのかもしれません。
グリーンオーブとイエローオーブの力
ところで、六軍王はウルノーガからオーブの力を与えられることによって強大な力を手に入れていました。
今回のテーマであるブギーはグリーンオーブ。キラゴルドはイエローオーブの力をそれぞれ授かっています。
このオーブの力を比較すると、グリーンオーブは
- 人間をモンスターに変えて服従させる
のに対して、イエローオーブは
- 人間をモンスター(黄金兵)に変えて服従させる
- あらゆる生物を黄金に変えてしまう
- 何もないところから黄金の氷塊や城を作り出す
という複数効果を持っており、イエローオーブが完全にグリーンオーブの上位互換になっているように思えます。
さらに、ブギーはカジノで大当たりして浮かれている人間の隙をついてモンスターに変えているのに対して、キラゴルドはクレイモランに直接居合わせずして人間を黄金に変えているので射程距離でもイエローオーブの力の方が勝っていそうです。
また、カミュの出自を喋ろうとした老人が絶妙のタイミングで黄金にされてしまったことから、意図的に対象を狙って黄金に変えてしまえる可能性もあり、そうだとすればかなり強力です。
イエローオーブ単独と言うよりは、黄金の首飾りとの相乗効果でここまで強力な力を発揮できているのかもしれませんが、いずれにしても「個としての六軍王が持つ力」という意味ではブギーよりもキラゴルドの方が圧倒的に優れていると言っていいでしょう。
しかし魔王軍としての優秀さで考えるのであれば、ブギーの方が能力の低さを補って余りあるはたらきをしているというのが個人的な見解です。
まとめ
個としての能力が優れているのはキラゴルドだが、人間を支配する過程の戦略で見ると反乱のリスクを最小限に抑えて支配体制を確立していくブギーの方が優秀▼