ドラクエ考察はくぶつかん

ゲーム内では語られていない疑問点について考察します。ネタバレ注意。

ライアンがバトランド王から受け取った「せんべつ」とは何なのか考察

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ドラクエ4の第一章「王宮の戦士たち」のラストにて、旅立ちを決意したライアンに対してバトランド王から「せんべつ」が送られるシーンがあります。

「お、何か冒険に役立つアイテムがもらえるのかな?」と思いきや、もらえるのはまさかの経験値。ドラクエの全シリーズを通して見ても人間から経験値を直接渡されるケースはかなりレアです。

この時、バトランド王はライアンに何を渡すことで経験値を与えたのでしょうか。

今回はこの疑問について考察します。

第一章 王宮の戦士たちのエンディング

第一章「王宮の戦士たち」は、イムルの村で謎の失踪を遂げた子どもたちを捜索するのが主目的のシナリオです。

本章の主役であるライアンが黒幕であるピサロのてさきを倒すことで無事に問題が解決。第一章はめでたく完結を迎えます。

しかし、ライアンはこの過程で世界のどこかにいる勇者に危機が迫っていることを知り、バトランドを発って勇者を守るための旅に出ることを決意。

バトランド王にしてみれば優秀な王宮の戦士を手放すことは惜しかったに違いありませんが、ライアンに「せんべつ」まで与えて快く送り出してくれます。

この「せんべつ」によってライアンは大量の経験値を獲得できるんですが、さて一体何を受け取ったのか?と言うのが今回のテーマです。

経験値の概念について考える

大前提として、ドラクエの世界の経験値とはいったいどういうものなのかをおさらいしておきます。

経験値は基本的に敵を倒すことで獲得できるポイントで、これを一定値溜めることでレベルが上がります。敵を倒すことで得られるということは

  • 有利に戦える位置取りをできるようになる
  • 筋力が鍛えられる
  • モンスターの習性を知り、弱点をつけるようになる

戦闘経験を通してこういった成長を遂げるのだと考えると非常に分かりやすいですね。これらの成長に繋がる戦闘経験を数値化したものが経験値だと考えるとドラクエの世界がイメージし易くなります。

バトランド王の餞別の正体

戦闘に関する極意書のようなもの

ここまでを踏まえると、バトランド王から何を受け取ったとしてもその場で瞬時に経験値が得られるとはどうしても考えにくいです。強いて候補を挙げるなら「戦闘に関する極意書」のような物でしょうか。

どんなに有意義な極意書でも実戦で試して初めて経験値に変換できるものだと思うので、バトランド王から貰ったその場で経験値が増加するのはやはり不自然なのですが、「何か1つコツを知るだけで急に成果が出た」という経験は誰しもされたことがあるはずです。そういったコツが詰まった極意書であれば経験値を獲得できる可能性もなくはないかな、と。余り納得はいきませんが可能性の1つとして挙げるだけ挙げておきます。

消耗品であるという点に着目する

話が前後しますが、本件を考える上で抑えておくべきポイントは、この「せんべつ」は消耗品であるということ。

なぜなら、もし「せんべつ」が消耗品でないのなら城の兵士たちに経験値を振り撒いて軍の強化に活用しているはずだからです。湖の塔程度で苦戦したり、やられてしまっている兵士がいるところを見ると、とてもこの「せんべつ」が活用されているとは思えません。

したがって、この「せんべつ」は数に限りがあったり使用条件があったりといった制約があると考えるのが自然です。消耗品だと考えるのが最も妥当でしょうね。

しあわせのたねが存在している可能性

「せんべつ」が消耗品であることを踏まえると、思い付く候補がもう1つ。

ドラクエ4を含め、ドラクエのメインシリーズには登場しませんが、不思議のダンジョンシリーズにレベルを上げるアイテム(=経験値を増やすアイテム)である「しあわせのたね」というものが登場しています。

しあわせのたねは、口にした瞬間レベルアップする便利なアイテムで、もちろん飲み込んでしまえば失われる消耗品です。つまり、ライアンが経験値を獲得する演出を考える上で全ての辻褄が合うアイテムだというわけです。

バトランド王がライアンに送った「せんべつ」はまさにこのしあわせのたねだったのではないでしょうか。

面白いことに、不思議のダンジョンシリーズの主人公はトルネコ。つまり、冒険の舞台はドラクエ4の世界と同じだと考えられます。よって、ドラクエ4の世界にしあわせのたねが存在していたとしてもなんら不思議ではありません。

ドラクエ4以外のメインシリーズでこういった経験値付与のイベントが見られないのも、この不思議のダンジョンシリーズとの関連によるものなのかもしれませんね。

 

※あえて他に似た例を挙げるなら、ドラクエ11の過ぎ去りし時を求めた後の世界の神の民の里にて仲間たちのレベルが時間を巻き戻す前に戻る(レベルアップする)シーンがありますが、あれは経験値を獲得するのとは少しニュアンスが違いますし、神の民の超常的な力によってもたらされたものなのでしあわせのたねとはまた次元の違う話だと考えられます。

 しあわせのたねで経験値が増える原理

上述した「戦闘の極意書」のところでも触れましたが、口にしただけで経験値が増えるというのもまた奇妙な話です。

しかし、しあわせのたねは体内に取り込むアイテムということで脳に直接働きかけることが可能だと考えられます。

「戦闘を通して得られる経験」と言うのも突き詰めて言えば脳への情報のインプットなわけですから、戦闘の極意書と違い、ダイレクトに脳へ作用すると考えられるしあわせのたねならその場で経験値が増えたとしても不思議ではありません。

まとめ