ドラクエ3で統治者に成り代わって人間を支配していた2体のモンスター「やまたのおろち」と「ボストロール」
実は彼らがバラモスの配下だったということをご存知でしょうか。ゲーム内で全く語られない部分なので知らない方も多いと思うんですが、今回はその出典の話+彼らの支配体制の優秀さの比較をしていきたいと思います。
バラモスの部下に関する記述の出典
バラモスとやまたのおろち、ボストロールの関係についてはちゃんとスクウェア・エニックスが出版している本でそういう設定だと明記されています。1つは「ドラゴンクエスト25thアニバーサリーモンスター大図鑑」
↑こちらのバラモスの頁にやまたのおろちとボストロールがバラモスの配下であるという旨の記述があります。
それからCDシアター
あとは小説の「知られざる伝説」でもやまたのおろち、ボストロールともにバラモスの配下であるという設定になっています(CDシアターと知られざる伝説は「エニックス」時代に発売)
まあ、CDシアターや小説はそもそものストーリーがドラクエ3のゲームそのものとかけ離れた設定になっている部分も多いのでこれを公式設定とするのは個人的には抵抗がありますが、少なくともモンスター大図鑑はゲームの内容について解説している書籍なので公式設定と見なして問題ないでしょう。
やまたのおろちとボストロールの比較
さて、ともにバラモスの配下であり統治者に成りすますという同じ侵略方法を取った二者ですが、異なる点も多々見受けられます。
両者の違いを確認するとともに、どちらがより効果的な支配体制を築いたのかを比較していきたいと思います。
やまたのおろち概要
ジパングの統治者であるヒミコを殺して(リメイク版ではなぜか天界でヒミコが生きていますが)支配者に成り代わっていたモンスター。定期的に生け贄を要求し、村人たちを恐怖に陥れていました。
ボストロール概要
「へんげのつえ」を使ってサマンオサ王に成り代わり暴虐の限りを尽くしたモンスター。自分の意思1つで多くの人間を死に追いやり、サマンオサ全体を絶望に包んでいました。
やまたのおろちの方が優秀
個人的にはやまたのおろちの方が優秀な支配体制を築いていたと考えます。理由は以下の3点
- 本物のヒミコを殺して足が付かないようにしている
- 民衆の疑いの目が自分に向かないようにしている
- ラーの鏡が効かない
本物のヒミコを始末していた点が優秀
ボストロールが本物のサマンオサ王を殺さず地下牢に幽閉していた理由については以前「ニセたいこうやボストロールが本物を始末しなかった理由」という記事で考察しました。こちらの記事でいくつか可能性を挙げさせていただきましたが、基本的にはボストロールの慢心が招いたミスだというのが僕の考えです。
この点、やまたのおろちは本物のヒミコをしっかり始末しており、本物が生存していることによる正体バレのリスクを最小限に抑えています。
結局主人公たちもやまたのおろちを退治したら実はそれがヒミコだったという事実に至ったというだけなので、何かミスを犯して正体がバレたというわけではないんですよね。
民衆の疑いの目が自分に向かないようにしている
やまたのおろちの特に優秀な点は、裏では捧げられた生け贄を喰らいながら、表向きではジパングの統治者ヒミコとしてしっかり人心を掴んでいるというところです。
これに対し、ボストロールはサマンオサ国民が「国王がご乱心」「人が変わったようだ」と口々に話していることからも分かる通り、完全に国民からの信頼を失ってしまっています。つまり、国民の反乱のリスクが高い。
圧倒的な恐怖と力で無理やり抑えつけるのはボストロールの見た目のイメージにぴったりなところではありますが、不要なリスクを避けたやまたのおろちと比べると見劣りしてしまうのが正直なところです。
ラーの鏡が効かない
少しメタ的な話になりますが、やまたのおろちとボストロールはどちらに先に挑むかプレイヤーが自由に選べるようになっています。ドラクエ3は6つのオーブを集めるあたりの冒険の自由度の高さが魅力の1つですよね。
ここでもしボストロールを先に倒した場合、やまたのおろちとの対決時点でラーの鏡を保持していることになります。しかし、ヒミコにラーの鏡を使ってもやまたのおろちの正体を見破ることはできません。
つまり、やまたのおろちは自身が純粋な武力で負けない限り隙が無いんですよね。やはり全体的に付け入る隙の多いボストロールと比べると優秀に見えます。
まとめ
バラモスの配下としてともに統治者に成りすまして人間たちを支配したやまたのおろちとボストロール。自分の正体がバレるリスクを抑え、人心も掌握し、ラーの鏡でも正体を見破れないやまたのおろちの方がボストロールと比べて優れた支配者である▼