多くのドラクエシリーズで登場を果たしているメタルハンター。それから色違いのキラーマシン。
キラーマシンには改良型の後継機が多数登場していますが、メタルハンターを改良したものは一切登場していません。今回はこのマシン系モンスターの開発事情についてドラゴンクエスト25thアニバーサリー モンスター大図鑑をベースに考えていきたいと思います。
キラーマシンの関連モンスター
キラーマシンの改良型後継機に当たりそうなモンスターは以下の通り
- キラーマシン2
- キラーマシン3
- キラーマジンガ
- スーパーキラーマシン(Sキラーマシン)
直接的な後継機にありそうなのは上記4種類。他にも
- サージタウス
- ゴールドマジンガ
- ファイナルウェポン
この辺りのモンスターもキラーマシンをベースに開発されたかのような見た目をしています。
他にも、キラーマシンの前身であるプロトキラーというモンスターも登場していますし、とにかく「キラーマシン型」の開発はかなり意欲的に行われている様子が伺えます。
これに対し、メタルハンターは一切開発を試みられている様子が見受けられません。なぜなのでしょうか。
ドクター・デロトが開発者かどうか
キラーマシンやその後継機の開発はドクター・デロトという人物が行っているとされています。一方、メタルハンターには開発者に関する情報がありません。
よって、考えられる理由の1つ目はキラーマシンとメタルハンターの開発者が異なり、メタルハンターの開発者は後継機を開発するほどの技術がなかった。あるいは、単に開発する意欲がなかったり、開発する前に亡くなってしまったといった背景があるのかもしれません。
開発のコンセプトが異なる
続いて、メタルハンターもキラーマシンのどちらもドクター・デロトが開発したものと仮定した場合の理由について考えてみたいと思います。
キラーマシンの開発コンセプト
ドラゴンクエスト25thアニバーサリー モンスター大図鑑によると、キラーマシンは「殺人兵器」とされています。おそらく多くの方がキラーマシンに抱いているイメージ通りだと思います。
上述したキラーマシンの改良型たちの解説も全て似たようなものになっており、いずれも「殺りく兵器」「目の前の対象を全て排除する」といった性質を持っていることが説明されています。
人間を排除することをコンセプトに開発されているというわけですね。
メタルハンターの開発コンセプト
さて、キラーマシンにそっくりなメタルハンターですが、その開発コンセプトはキラーマシンと異なっています。
僕はメタルハンターってずっと「(自分が)メタル(ボディの)ハンター」だと思っていました。
しかし、ドラゴンクエスト25thアニバーサリー モンスター大図鑑によると
メタルスライムやはぐれメタルなどのメタルボディのモンスターを狩るために行動する機械兵器。
引用:「ドラゴンクエスト25thアニバーサリー モンスター大図鑑」 出版 SQUAREENIX p.79
こんな風に記載されています。つまり、「メタル(系モンスターを狙う)ハンター」というわけですね。
確かに、メタルハンターが登場する各シリーズにおいて、メタルハンターの出現エリアとメタルスライム(orはぐれメタル)が出現するエリアは被っているため、しっかり設定通りにゲームが作り込まれているのは面白いところ。
また、上記のモンスター図鑑の同ページには「狩りを邪魔しようとする冒険者は容赦なく排除しようとする」という記載もされています。
なので、あくまでもメタルハンターの主目的はメタル系モンスターを狩ることであり、冒険者を襲うのは目的達成のための過程に過ぎないと言うことができます。
では、なぜメタル系モンスターを狩る必要があるのか?というと、少しメタ的な話になりますが冒険者たちのレベル上げを妨害するためだと考えるのが自然です。
キラーマシンとメタルハンターの比較
改めて2者の違いを比較すると
- キラーマシンは人間を狩ることが目的
- メタルハンターはメタル系モンスターを狩ることで冒険者の妨害をするのが目的
となります。どちらも根本にあるのは「人間に不利益をもたらす」という動機ですが、そうするとメタルハンターが取っている手段はかなりまわりくどい。効率が悪いと言い換えてもいいですね。この効率の悪さこそがメタルハンターの後継機が開発されない理由だと考えます。
はぐれメタルさえまともに狩れないハンター
余談ですが、メタルハンターがメタル系のモンスターを狩る上での優位性って2回攻撃ができることぐらいなんですよね。
会心の一撃(痛恨の一撃)も出さないし、急所を狙って一撃で倒せるわけでもありませんし、メタル斬りのように確実にダメージを与える攻撃方法も持っていません。さらにシリーズによってはその2回攻撃の優位性すら失っています。
これだとギリギリでメタルスライムを狩れるかどうかというレベル。はぐれメタルを倒すには相当な運が必要です。メタルキングになると倒すのは夢のまた夢。
はたしてこの程度の性能で「メタルハンター」を名乗っていいものかどうにも微妙なところ。
ですが、だからこそキラーマシンのように改良型を開発する余地が大いにあるだけにもったいないと感じます。メタルハンター2、メタルハンター3、メタルマジンガ、スーパーメタルハンターとかかなりロマンがあると思うんですけどね。
まあ、現実世界でもそもそも開発コンセプトが変な方向に向いてしまった製品が淘汰されていくのは仕方のないところだと思うので、メタルハンターの今後にも余り期待はできないですが、これからのドラクエシリーズにメタルハンターの後継機が出てくるかどうか密かに楽しみにしたいと思います。
まとめ
- キラーマシンとメタルハンターで開発者が異なる
- メタルハンターの開発コンセプトが悪い
以上、メタルハンターの後継機が開発されない理由を2つ挙げさせていただきました。
個人的にはあれ程の高度な機械を扱える人物がそう何人もいるとは考えにくいので後者の理由を推したいですね。
キラーマシンもメタルハンターも人間に不利益をもたらすという根本理念は同じ。しかし、直接人間を狩るキラーマシンに対し、メタル系モンスターを狩ることで人間の妨害をするメタルハンターの手法は効率が悪い。この効率の悪さのために改良型の開発を敬遠されていると考えられる▼