ドラクエ考察はくぶつかん

ゲーム内では語られていない疑問点について考察します。ネタバレ注意。

グランバニア国民が政治の素人である主人公を快く国王に迎えられる理由を考察

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ドラクエ5でグランバニアの王位継承をめぐる一連のイベント。

ストーリーの大きな転換点でもあり、面白いところですよね。この時主人公は大臣などの一部を除く大多数の国民に国王になることを歓迎されるわけですが、この歓迎ぶりに少し違和感を抱きませんか?

と言うのは、主人公は「人望があった前国王パパスの息子」という事実以外に優れた点をなんら国民に示していないからです。

今回はそれにも関わらず主人公がグランバニア国王として歓迎された理由について考察したいと思います。

グランバニアの現国王オジロンについて

オジロンに見るグランバニア国王に求められる素質

主人公について考える前に、まずは比較対象であるグランバニアの現国王オジロンの立場について考えてみましょう。彼は前国王パパスの弟で、主人公から見ると叔父にあたります。

彼について認識しておくべき事実は以下の2つ。

  • 人柄の良さが魅力だが、優柔不断なところがあり、国王としての器ではない
  • 主人公になら喜んで王位を譲りたいと考えている

裏を返せば、少なくともグランバニアでは勇敢で決断力のある人間が王として歓迎されるであろうことが伺えます。

オジロンの優柔不断さが招く問題点

さて、オジロンはその優柔不断さがゆえに半ば大臣の傀儡のようになっている様子が見て取れます。つまり、現体制では実質的にグランバニアの実権を握っているのが大臣だったわけですね。

このために大臣はオジロンのように都合よく操れないであろう主人公が国王になることを良く思わずに、試練の洞窟にカンダタやシールドヒッポなどの刺客を放って主人公を亡き者にしようと企みました。

大臣以外にどの程度主人公が国王になることを快く思わなかった人間がいたのかは作中では分かりませんが、ごく少数であったことは間違いないでしょう。下手すると大臣だけだった可能性もあります。

とにかく大多数のグランバニア国民が主人公を国王として歓迎していたということが重要なポイント。これを踏まえた上で生じる違和感について考えていきます。

主人公がグランバニア国王に相応しくない理由

政治の実務経験がないという欠点

ドラクエ5の主人公は冒険家としては優秀かもしれませんが、国を治めることに関しては完全に素人です。政治の実務経験がないことはもちろん、物心がつく前にグランバニアを離れているので知識レベルでの政治も身に着けていないと考えられます。

さらに言えば、長い間国を離れていてある日突然ふらりと姿を現したという背景も余り印象が良いものではありません。元王子とは言え、10年以上も国を離れていたとなればどうしても得体の知れない存在になってしまうでしょう。

サンチョの後ろ盾が強力だったという点も大きいとは思いますが、現代日本人的な感覚で見ると主人公が国王に相応しい人物だとはとても思えません。

ジャミが指摘する主人公の国王としての素質の無さ

主人公が国王としての素質を欠く描写は他のシーンからも読取ることができます。

晴れてグランバニア国王に即位した直後、妻が魔物にさらわれてしまい、デモンズタワーに単身乗り込むという一連の流れがまさにそう。

これは一国の国王が取る行動としては余りにも軽率であり、敵であるジャミからもその愚かさを指摘されるほど。ここまでされると、やはり主人公を手放しで国王に歓迎できるグランバニア国民の姿勢について違和感を抱かずにはいられません。

まあ、これは国王になった後の話なので、主人公が即位する前の時点ではこの事実を加味して考えることは不可能だったわけですが、政治の素人を国王に迎えるのであればこんなリスクもあるという想定ぐらいはできたはずです。

それでも主人公を国王として歓迎できる理由

国王には専門的な知識は必要ない

以上のようなマイナスの要素を踏まえて、それでもグランバニア国民が主人公を歓迎した理由。

国王の仕事に専門的な知識が必要ないからという仮説を挙げさせていただきます。これなら政治に関してなんの知見もない主人公を歓迎できる理由として妥当です。これは裏を返せば、国王の素質として人望が占める重要性の割合が非常に大きいということを意味します。

主人公の勇敢で誠実な人物像がプラスに働く

さて、主人公について「10年以上も国を離れていたとなればどうしても得体の知れない存在になってしまう」という表現で上述しました。

こんな背景があるにも関わらず主人公があれ程人望を獲得できた理由はなんでしょうか?

それは、彼が亡き父の遺志を継ぎ天空の勇者と母親を探す危険な旅を続けているというストーリーを持っているからです。このストーリーは主人公の誠実さや勇敢さを伝えるのに十分すぎる効力を持ちます。グランバニア国民は当然このストーリーについて認識しているでしょうから、実際に長いこと国を離れていた主人公に対しても容易に敬意の念を持つことができるというわけです。

ドラクエの世界の王様の仕事について

続いて、国王に専門的な知識が必要ないという件について。

ドラクエはシリーズを通して多くの国とそれを治める国王が登場しますが、実際のところ彼らが普段どんな仕事をしているか、余り明確にはなっていません。「ただ玉座に座っているだけなのでは?」と考えている方も多いのではないでしょうか。

シリーズによっては忙しそうにしている国王が登場することもありますが、大多数の国では国王が仕事らしい仕事をしている様子が見られません。いや、「仕事をしている様子が見られない」のではなく「本当に仕事をしていない」のではないでしょうか。だからこそ政治の素人である主人公を喜んで歓迎できたのだと。

となると、「仕事をしないなら国王なんて必要ないのでは?」という話になりかねませんが、ちゃんと仕事をしない国王にも存在意義があります。以下、国王の存在意義について見ていきましょう。

理想的なグランバニアの国王像

国のシンボルとしての存在意義

まず、少なくともグランバニアにおいては国王が国のシンボル的存在であるという可能性について。

これなら実務能力に長けた人間でなくとも人々の心を支える存在として非常に重要な役割を果たすと言えます。主人公に求められていたのもこの部分が大きかったに違いありません。

強い決断力を持って国事に臨むことができる人物

 上で「仕事をしない国王」と書いてしまいましたが、少し言い過ぎました。国事に関する最終決定を下すのは国王の役目ですね。

現実世界のように社会が複雑な構造になり過ぎてしまうと、国事の最終決定を下すだけでもかなりの知識が必要になってくると思いますが、ドラクエの世界ではそれほど複雑な国事を行っている様子はなさそうです。

よって、政治に関する素人でも家臣たちの意見を聞きつつ適切な意思決定ができるものと考えます。現国王オジロンの決断力のなさはこの点において悪影響を及ぼしていたのかもしれませんね。

まとめ