ドラクエ5に登場するボスの中でもひと際強いインパクトを放っているのがサラボナで戦うことになるブオーン。
SFC版でも、リメイク版でも同作中で他に類を見ない迫力のある演出がされるのが印象的です。シリーズ全体を通しても屈指の大きさを誇る彼ですが、一体どれぐらいの体長があるのか考察してみます。
結論は22.5メートルなのですが、その計算過程について以下見ていきます。
- 公式の情報
- サラボナの見はらしの塔の高さと比較
- モンスター大図鑑からブオーンの体の比率を考える
- サラボナの見はらしの塔の高さは何メートルか
- 山奥の村とサラボナの距離を推測
- シルクのヴェールを取りに行くイベントがヒントに
- ブオーンの体長
- まとめ
公式の情報
まず前提として、公式でブオーンの体長が発表されていればそもそも考察をするまでもなく答えが出てしまうのですが、残念ながら公式の情報にも詳しい大きさまでは出ていないようです。
モンスター大図鑑を持っているのでブオーンのページを見てみたんですけど、そういった細かい情報は載っていませんでした。残念。
サラボナの見はらしの塔の高さと比較
ではどうやってブオーンの体調を割り出すかですが、有力な比較対象となるのがブオーンとの戦闘になるサラボナの見はらしの塔の高さです。
PS2版のドラクエ5だと分かりやすかったのですが、カメラのアングルがサラボナの見はらしの塔屋上とほぼ水平になっている状態で、塔の高さがちょうどブオーンの腰の高さと同じであることが分かります。つまり、ブオーンの腰より上の部分が見はらし塔のてっぺんから突き出している状態ですね。
ブオーンが見はらし塔の真横に立っていることからも、地面の高さは同じと見なし、見はらし塔の高さ=ブオーンの腰の高さとして比較して良さそうです。
モンスター大図鑑からブオーンの体の比率を考える
ここで上記のモンスター大図鑑の出番です。ブオーンのイラストを使って腰から下と上の比率を計測することで、ブオーンの体長が見はらし塔の何倍であるかを突き止めます。
画像引用:SQUAREENIX「ドラゴンクエスト25thアニバーサリーモンスター大図鑑」
↑本当に計測しました。こうして見ると、ゲーム上で表現されているブオーンの体の比率がイラストとぴったり同じでちょっと感動します。
計測の結果、腰下:腰上=1:2。
驚いたことに綺麗に1:2の比率でした。ちなみに腰上の長さはブオーンの角の一番高い部分までを含めています。
以上の結果から、ブオーンの体長はサラボナの見はらし塔の3倍であると言うことができます。
サラボナの見はらしの塔の高さは何メートルか
あとはサラボナの見はらし塔の高さが何メートルか分かればブオーンの体長も求めることができます。見はらし塔について分かっている情報は、SFC版を基に考えると
- 3階建て+屋上の構成である
- 1階の時点で階段8段分の高さがある
この程度の情報しかありません。これにPS2版の情報を加えると
- 屋上から山奥の村あたりまでを見通すことができる
- 1階から屋上までの階段の段数は10段×3(後述)で構成されている
- 1階の時点で階段4段分の高さがある
こんなところですね。かなり情報が限られていますが、ここからサラボナの見はらし塔の高さを推測していきたいと思います。
階段1段あたりの高さから求める
階段一段の高さを「蹴上(けあげ)」と呼びます。建築基準法では23センチメートル以下と決まっています。多く採用されるのは、18~20センチメートルです。
これは現代日本の話ではありますが、ドラクエの世界の住人たちも同じ人間である以上登りやすい階段の高さはそう変わらないはず。分かりやすいように階段1段あたりの高さが20センチメートルだと考えてみます。
そうすると、PS2版の構造から階段34段×20センチメートルで見はらし塔の高さは6.8メートルだと言うことができます。
ただ、実は3階→屋上へ向かう階段はゲーム画面上で見切れてしまっているので正確な段数は分からないんですよね。1階→2階と2階→3階がどちらも10段なので3階→屋上も同じ段数なのではと推測しているだけです。まあ、見はらし塔内部の3D空間を見る限り、見切れている部分の余白がだいたい10段分の幅と一致しているので30段と考えても問題はないでしょう。
これにプラスして屋上の縁にある落下防止の壁(?)が主人公たちの腰ぐらいの高さまであるので見はらし塔の全長は7.5メートル程度ではないでしょうか。
また、SFC版では階段がデフォルメされているのでこの方法では推測することができません。
階高から求める
視点を変えて、見はらし塔が3階建てというポイントに焦点を当てます。
また現代日本の話になりますが、階高(1階あたりの高さ)は3メートル程度のケースが多いようです。ただ、一概には言えず最近では階高がもっと高い建物もできてきているようで、しかもこれは一般的なビルの場合の話なので見はらし塔となると単純に比較してしまっていいものか悩みどころです。
が、一応この基準を当てはめてみると見はらし塔の高さは9メートル。これに1階の高さである階段4段分と屋上の落下防止の壁の高さを加えるので全長は10.5メートル程度。
蹴上で考えた場合の数字と少し食い違ってしまいますね。
難しいところですが、建造物によって高さが大きく異なる可能性がある階高よりも、人間が上りやすい範囲である程度数字が決まってくる蹴上から算出した数字の方が信憑性が高いのでサラボナの見はらし塔の高さは7.5メートルというのが妥当なところだと考えます。
山奥の村とサラボナの距離を推測
続いて「屋上から山奥の村辺りまでを見通せる」という情報にも触れておきます。こんな面白い計算をしてくれるサイトがあります。
ある高さからどれぐらい先まで見通すことができるのかを計算してくれます。
地球上での話なのでドラクエの世界に当てはめていいのかという問題はありますが、上述した地上7.5メートルの高さで計算すると10.37キロメートル先まで見通せるという結果になりました。
シルクのヴェールを取りに行くイベントがヒントに
ここで、結婚式のイベントで主人公が山奥の村にシルクのヴェールを取りに行くイベントがあったということを思い出してみてください。
この時のルドマンとのやり取りを見ていると、主人公は花嫁が身支度を始めるタイミングで山奥の村に出発し、その準備が終わる頃にサラボナに戻って来たと解釈できます。
山奥の村まで(直線距離ですが)10.37キロメートル。往復約20キロメートル。山奥の村までの道中は帆船を使って川を行き来する部分がほとんどです。帆船の速度は諸説あるようですが、平均して5ノット程度(約10km/h)とすると往復で約2時間。そのうち陸路が2~3割を占めていることとシルクのヴェールを受け取る手続きの時間なども含めて往復で合計3時間程度と見積もります。
これはかなり良い線を突いているのではないでしょうか。見はらし塔の高さ7.5メートルと言うのもなかなか理に適っていそうです。
ブオーンの体長
では、ブオーンの体長はサラボナの見はらし塔の3倍なので
7.5×3=22.5
22.5メートル。ビルの7階ぐらいの高さに該当します。また、完全に他作品の話で申し訳ないですがガンダムの大きさが18メートルなのでガンダムより一回り大きいぐらいというイメージの仕方もできます。
個人的に結構イメージしていたぐらいのブオーンのサイズが数字で算出できたので満足しています。もしこれが50メートルとか100メートルとか途方もない数字になっていたらいくら主人公たちが強くても太刀打ちできるサイズじゃないと思うので。
まとめ
ブオーンの体長を「モンスター大図鑑」「サラボナの見はらし塔の構造」「山奥の村との距離」などの情報を基に算出。結果22.5メートルという数字を導くことができた▼
▼計算してみたシリーズ▼