ドラクエ10の偽りのレンダーシアに存在するアラハギーロ王国。
そこはセラフィやチョメをはじめ、人間と魔物の姿が入れ替わっている世界です。
今回はそんなアラハギーロの住人たちがもとはなんのモンスターだったかについて考察します。
なお、公式設定資料集である「アストルティア創世記」にはいくつかの答えが載っているので気になる方はご覧になってみてはいかがでしょうか。
モンスター特定の判断材料
はじめに元の姿を予想するための判断材料を確認しておきます。
名前の省略形
大多数の人物は名前から元のモンスターを推測することが可能です。
ただ、問題は名前を変形する際のルール。例として「グレタル」という人物を見てみましょう。最も正体が分かりやすい人物の一人ですが、はぐれメタルが正解。
はぐれメタル
というわけですね。この例だと文字を入れ替えたり、一部の文字を置き換えたりといったことはせず、名前の一部を順番通り抜き出していることが分かります。
他の多くのモンスターにもこのルールが適用されていると思われますが、文字の入れ替えや置換が一部行われていそうな気配もあります。
もし入れ替えや置換が多用されていれば元のモンスターを名前から判別することがかなり困難になるので、ごく軽微なレベルでしか行われていないと仮定して話を進めたいと思います。
後述しますが、具体的には伸長音の置換と濁点の有無の置換の2種があるのではないかと考えます。
外国語由来
名前から推測できるパターンがもう1つ。
外国語が由来になっているケースです。例として2階フロアにはポルポという兵士がいますが、ポルポ(polpo)はイタリア語で「タコ」の意。よって、タコメットが正体ではないかと推測できます。
これは何もアラハギーロに限った話ではなく、例えばナスビナーラの上位種メランザーナはイタリア語の「ナス」を表していますし、英語以外の言語を由来とするネーミングはドラクエシリーズ全体で散見されるのでアラハギーロの人物たちに適用されていても不思議ではありません。
会話の内容
少数ではありますが、名前ではなく会話の内容から対象のモンスターが特定できる場合があります。かなり明確な内容が示されているケースが多く、見逃せません。
髪の色
こちらも少数ではありますが、髪の色が元のモンスターの体色を反映しているケースがあります。
とはいえ、例外も多いため過信は禁物。上記3つの補助的な情報として参考程度に見るべきでしょう。
魔物使いで仲間にできるかどうか
補助的な判断材料ではありますが、主人公(プレイヤー)が魔物使いで仲間にできるモンスターかどうかというのも1つのポイントではないでしょうか。
ベルムドも主人公と同じようにオルファの丘のメドウに師事した身ですから、仲間にできるモンスターにもある程度共通点は見出せるはずです。
なお、ムルードの岩山にある墓石を見ると、メッサーラ(サーラ)、ギガンテス(ギーガ)、グレイトドラゴン(シーザー)など、ドラクエ10の主人公では仲間にできないモンスターたちが仲間モンスターとして活躍した形跡があるため、アラハギーロの魔物使いたちは主人公以上に多くの種類のモンスターを仲間にできるポテンシャルがあると判断できます。
特定は困難を極める
と、ここまでのルールを適用すればおおよその人物の元の姿を想像できますが、それでも特定が困難な人物もいます。
もしかするとこれ以外にもなんらかの法則があるのか、
あるいは、アストルティア創成期にも「これらの傾向や由来は全員に当てはまるわけではない」との記述がありますし、推測のしようがない人物もいるのかもしれません。
ともあれ、以上を踏まえた上で、以下に住人たちのリストを作成してみました。
偽りのアラハギーロ住人の元の姿リスト
ざっくりフロアごとに住人たちをまとめていきます。
1階フロア
アズゥ→スライムタワー(下)
アズハル→おどる宝石
イソル→ライノソルジャー
クイーラ→クイーンスライム
グレタル→はぐれメタル
サンシャ→サンダーシャウト
シカブ→?
シメール→キメラ
デヒト→?
ナック→サブナック
ベルデ→スライムタワー(上)
ホマズ神父→スライムベホマズン
ラランジャ→スライムタワー(中)
リーゴ→フェアリードラゴン
便せん屋ミュウ→アサシンエミュー
取引商ルルー→スカルガルー
宿屋クフラ→マジックフライ
料理屋レーナ→マポレーナ
案内係セヴァス→?
武器屋スパット→デスパロット
神官キフライ→キャットフライ
紹介人アーラ→アームライオン
美容師ディラ→?
道具屋イドラ→メイジドラキー
郵便局員ルミラ→アルミラージ
防具屋カイラ→アカイライ
預かり所ジス→マージスター
2階フロア
タンロン→ミミック
ハドリ→?
ポルポ→タコメット
マーフ→マーズフェイス
ラーグ→キラーファング
ルシャ→ダークペルシャ
3階フロア
チズキン→フォンデュ
レザール兵士長→リザードマン
ロニーゴ→ベロニャーゴ
モンスター酒場
道具屋ヤーヒム→?
魔物管理人ジラー→メイジドラキー
モンスター格闘場1階フロア
コマド→ねこまどう
スイーナ→マジカルハット
チアーノ→プチアーノン
リンガー→シュプリンガー
モンスター格闘場地下1階フロア
ファンゴ→どろにんぎょう
ルボーク→じんめんじゅ
モンスター格闘場2階フロア
ダラン→ダッシュラン
ニュード→ベビーニュート
パロナ→?
アラハギーロ住人の元の姿考察
以上が元の姿のリストですが、ここからは所感がある人物のみをピックアップし、根拠や推測の過程について掘り下げます。
アズハル(おどる宝石)
「記憶をなくす前は踊り子だった」「宝石のよう」などのセリフからおどる宝石であると読み取れます。
クイーラ(クイーンスライム)
入口から一番近くにいる小太りの中年女性。ストーリー進行中は次に行くべき場所を教えてくれる案内役で名前の表示がピンクになっていることが多い人物。
なにかとセラフィのことを気にかけてくれていて、人の良さそうな感じが滲み出ています。
元はスライムたちからの人望厚いクイーンスライムだったのかもしれません。
ベルデ、ラランジャ、アズゥ(スライムタワー)
西側にいるベルデ、ラランジャ、アズゥの3兄弟。
会話の内容からスライムタワーであることが読み取れます。
写真左からベルデ(長男)→ラランジャ(長女)→アズゥ(次男)の順ですが、彼らの髪の色とスライムタワーの並びが同じである(緑→オレンジ→青)ほか、末っ子のアズゥがラランジャとアズゥを背負う夢を見るという点からもスライムタワーであることは明白です。
ホマズ神父(スライムベホマズン)
レベル上限解放クエストでは慈愛の象徴として登場するスライムベホマズン。
神父の役割を与えられたことはまさに適材適所だったのではないでしょうか。
武器屋スパット(デスパロット)
どう考えても名前の響きで武器屋にされてしまった人。最初はただの擬音語の名前としか思えませんでしたが、住人たちの命名の法則を見るに、正体はデスパロットに違いありません。
便せん屋ミュウ(アサシンエミュー)
名前の変形の際文字の置換は極力ないものと考えたいですが、「ウ」と「-」を置き換えていいのかどうか悩ましいところ。
ただ、服と帽子のカラーがアサシンエミューと同じということもあり、最も有力な候補だと判断しました。
サンシャ(サンダーシャウト)
メインストーリーに絡んでくる3人組のうちの女性キャラ。
サンダーシャウトは偽アラハギーロが登場するVer.2.0時点では実装されていませんが、次のVer.2.1にて真のグランゼドーラ領に登場。
実装前のモンスターの存在は不自然にも思えますが、Ver.2.0時点で2.1の構想が無いとも考えにくいので、候補に挙げても良いのではないでしょうか。
髪色もサンダーシャウトの衣と同色系、加えて色違いのやみしばりが仲間モンスターでもあり、可能性は高いと考えます。
シメール(キメラ)
メインストーリーに絡んでくる3人組のうちのリーダー格(?)紫の口ひげ。
ファンタジー作品でお馴染みの合成獣の怪物「キマイラ」は英語だと「キメラ」でフランス語になると「シメール」
よって、キメラが元の姿。
この考え方だと、他にもキマイラロードなどが候補に挙がりますが、魔物使いが仲間にできるモンスターという観点からもキメラの方が自然だと考えます。
セラフィの回想に登場するベルムドが戦争の為に檻から連れ出そうとしたモンスターの中にはキメラの姿もありますが、彼がシメールだったりするのでしょうか。
タンロン(ミミック)
「宝箱の番人が天職」また、役割を失った後はやる気をなくして「いっそ宝箱の中で眠りたい」と発言。
ひとくいばこ、ミミック、パンドラボックスのいずれかだと思いますが、ターバンの紫色がミミックの舌の色と一致するので彼を推したいところ。
ちなみに、ベトナムの世界遺産に「タンロン遺跡」というものがありますが、関係があるのかは不明。
マーフ(マーズフェイス)
マーズフェイスはサンダーシャウトとおなじくVer.2.1で登場。上述しましたが、Ver.2.0時点で構想はあったのだと思います。
さらに、マーズフェイスは真のアラハギーロ地方に生息しており、偽アラハギーロの住人として存在していても不思議ではありません。
服のカラーリングがマーズフェイスと同色系なのもポイント。
全体的に小~中型モンスターの住人が多い中、異質な存在です。人間の姿がメイド風の小柄な女性であることもモンスターの姿とのギャップを感じます。
注目したいのはモンスター図鑑の「タコメットに愛着を感じている」という一文。
火星(マーズ)にタコ型の宇宙人が住んでいるという俗説が元ネタだとは思いますが、同じ2階フロアには元の姿がタコメットであろう兵士ポルポがおり、彼との関係が気になるところです。
ラーグ(キラーファング)
クエスト「砂漠の民はお肉がお好き?」の依頼者でもあるラーグ。
2階の食堂で一心不乱に肉をむさぼっていますが、肉食獣の典型とも言えるキラーファングに相応しい立ち位置ではないでしょうか。
若干頭の弱そうな感じも「すてみ」を無駄に重ね掛けするキラーファングらしさを表しているような気がします。
チズキン(フォンデュ)
玉座の前にいる側近の一人。
クセの強い名前ですが、モンスターの名前の略称で考えると候補が見つかりませんでした。
思うに「チーズキャノン」の略称ではないでしょうか。仲間モンスターであるフォンデュのみが覚える特技であることから、彼の正体もフォンデュの可能性が高いと考えます。
レザール兵士長(リザードマン)
トカゲは英語で「リザード」フランス語だと「レザール」
候補はメラリザード、ポイズンリザード、リザードマン、キングリザードなどなど多数存在します。
その中で兵士長になるほど有能であればキングリザードも1つの候補・・・ですが、判断材料の1つである「主人公も仲間にできるかどうか」を優先、かつ兵士への適性が高そうなリザードマンの方が適切であるように思えます。
ファンゴ(どろにんぎょう)
ぱっと見、ブルファングやキラーファングなどを思い浮かべてしまいますが、文字の置換は最小限という前提でイタリア語のfango(泥)が由来の説を推したいところ。
泥をモチーフにしたモンスターはマドハンド、ドロヌーバ、どろにんぎょうなど色々存在しますが、魔物使いで色違いのパペットマンが仲間にできるという点からどろにんぎょうが有力な候補だと考えます。
ルボーク(じんめんじゅ)
エビルホーク、ヘルボックル、ゴールドオークなど、あと一歩な候補は多いのですが、完全一致の名前を持つモンスターが見当たりません。
推測が難しい人物の1人ですが、ロシア語のルボークが由来ではないでしょうか。
版画を指す言葉でもありますが、植物の樹皮を示す言葉でもあるようで、植物系モンスターの中でも最も樹皮の採取に向きそうなじんめんじゅが候補。
また、彼の全身のカラーリングが緑×茶色となっているのも決め手の1つです。
スイーナ(マジカルハット)
スイ―ナはモンスター格闘場の受付にいる女性。
モンスターの略称で該当するものがなさそうなので調べてみたところ、イノシシ亜目の学名がSuinaであるとのこと。
加えて彼女の髪色が紫であることを踏まえると、マジカルハットが最も有力な候補だと考えます。
ニュード(ベビーニュート)
便せん屋ミュウ→アサシンエミューの例があるので、最初はニュード→ゆめにゅうどうだと判断していました(伸長音の置換が共通)
しかし、実際に彼を見てみると珍しい青色の髪。嫌でもベビーニュートを彷彿とさせます。
濁点の有無の変換が行われている可能性は、このニュードの例があるために排除できませんでした。
推測不能な人物たち
残念ながら、全体の1割程度の人物は皆目見当がつきませんでした。
シカブ
Ver.5にてシシカバブが登場しますが、あちらは固有のキャラクターなので関係はなさそう。
それ以外で連想されるモンスター名がなく、特定に至っていません。
デヒト
メインストーリーに絡む3人組のうちのあらくれ。
文字の並び替えが通用するならデヒト→ヒトデでおばけヒトデが有力な候補ですが、並び替えがルールに採用されているならもはや手に負えそうにありません。
案内係セヴァス
案内係で固有のセリフもなく、情報が乏しい。
ドラクエ6に登場する「セバスのかぶと」、あるいはウェナ諸島のヴァース大山林と字面は似通っていますが、モンスターと結びつける鍵には至らず。
美容師ディラ
真のアラハギーロの美容室にはスタッフとしてグラハムというじごくのハサミがいます。
彼女の髪も緑色であることを踏まえると、同様にじごくのハサミではないかと想像したくなりますが、髪色以上の判断材料がないため断定するのは憚られるところ。
ハドリ
食堂にてフライパンを握って料理を作っている中年女性。
「羽鳥」「白刃取り」など日本の言葉が連想されますが、モンスターの名前を略しているわけでもなさそうで推測は困難です。
道具屋ヤーヒム
モンスター酒場側の道具屋を務める男性。
競走馬の世界には「ヒムヤー系」という血統があるそうですが、もしそこからもじった名前であるとしたら馬つながりでホースデビルあたりの可能性もあったりするのでしょうか。
しかし、馬というだけでは他にも候補がいて特定はできませんし、結論は出せそうもありません。
パロナ
ポルトガル語においてパロナ(palona)は「ロースト」を意味するそうです。
が、そこから先の推測につながりません。まさかおいしいローストになりそうなモンスターだということもないでしょうし。
響きだけならビッグスロースが近い気もしますが・・・
アラハギーロの住人ではない人物
余談になりますが、偽アラハギーロのマップ内には他にもここまで名前を挙げなかった人物が何人かいます。その人物たちにも触れておきます。
アスカ
1階フロアにはピラミッドの情報を教えてくれるアスカというエルフの女性がいます。
種族が人間でないことや、名前がエルフに特有である大和言葉(飛鳥)に当てはまることから、他の住人とは違いモンスターが人間化した存在ではないと言えます。
ルーベン
2階フロアの迎賓室(?)にいる人物。グランゼドーラからの使者であるため無関係。
ドラきち
モンスター酒場にいるドラキー。彼は逆に元人間なのでしょうか。
セリフだけ見ると血に飢えた危ない人物にも見えますが、はたして・・・?
まとめ
偽りのアラハギーロの住人たちは元は魔物使いであるベルムドの教え子たちでした。
人間になった彼らは当初記憶をなくした状態となり、ベルムドによって名前と役割を与えられたという話を聞くことができます。
姿が変わっても1人1人(1匹1匹)を判別し、適切に名付けたあたり彼のモンスターたちに対する想いの強さが感じ取れ、グッとくるものがあります。
偽りのアラハギーロの住人は元はモンスターだった。元の姿を推測するためのヒントは名前、セリフ、見た目などに含まれており、おおよその人物は元の姿を推測できるが、中には推測が困難な人物もおり、全員の解読は至難▼
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