ドラクエ5に登場する3つの国
- ラインハット
- テルパドール
- グランバニア
どの国が長期的に存続する上で有利な条件が揃っているかをランキング化してみました。
※妖精の城や天空城も国のような体を成していますが、人間が形成する国とは違った次元のものであるため除外します
第1位:テルパドール
3国の中で最も長期的な存続が難しい国はテルパドール。
砂漠と言う過酷な環境下に存在している国で、代々「てんくうのかぶと」を守ることを使命としています。言い換えれば、「てんくうのかぶと」ありきで建国されたと言うことなので、あえて砂漠と言う過酷な立地を選んだ要因はそこにあるのでしょう。
テルパドールの存続が難しい理由はまさにこの立地にあります。
人工的なオアシスに支えられる国
なぜこんな過酷な環境で人々が生きていけるかというと、オアシスを生み出す力のある女王アイシスの力に依るところが大きいです。
テルパドール城の地下が緑あふれる庭園となっているのは彼女の特殊な力によるものだとされており、国民も大いにその恩恵にあずかっている様子。
しかし、そこにテルパドールの弱点があります。
王族の力に依存するリスク
国が王族の力に依存して成り立っているということは、王族の身に何かあった場合に国そのものの存続が危うくなってしまうということです。具体的には以下のような事態が起きれば国家存亡の危機になり得ます。
- 跡継ぎが生まれない
- 国王の急死
- オアシスを生み出す力が子に遺伝しない
テルパドールが代々「てんくうのかぶと」を守ってきたということは、おそらくアイシスの先代国王たちもオアシスを生み出す力によって国を存続させてきたのだと思います。
この力に頼りきりの状態で国が存続しているのだとすれば、その安定性は上で挙げたような原因であっさり崩れてしまいます。特に跡継ぎが生まれないことや国王の急死などは結構な確率で起こり得る事態であり、それが国1つの存亡に関わるとなると、余りにも大きいリスクを抱えていると言わざるを得ません。
よって、今回のランキングではトップに位置付けました。
第2位:グランバニア
グランバニアはストーリーの後半で主人公が国王となる国であり、ストーリー上様々な事実が判明するキーポイント。厳しい山越えの先にようやく到達できる極東の地にあります。
今回のランキングでは2位としましたが、グランバニアもテルパドールに近いレベルで存続の難しい条件が揃っている国です。以下、その理由について掘り下げていきます。
周囲のモンスターが強力
グランバニア最大の特徴は城下町がないことです。なぜこのような国の形になっているのかと考えた時、周囲のモンスターが強力であることが理由として挙げられます。
グランバニア周辺はテルパドールやラインハットと比べると最もレベルの高いモンスターが生息しています。もし仮に城下町を設けた国の形となっていた場合、モンスターに攻め込まれた場合に守り切ることができないのでしょう。その点、国全体が城の中に収まっていれば城下町と比べて敵の侵攻を防ぐことが容易です。
また、城の北には魔物の巣窟と称されるデモンズタワーも聳え立っており、常にモンスターの脅威に晒されている過酷な環境であると言えます。
国=城という国家の形態はモンスターの侵攻に備えるために、なるべくしてなったのだと考えることができます。
※テルパドールも屋外の施設がなく、城下町と呼べるほどの空間は存在していませんが、武器屋や防具屋が城がある建物から独立していたり、場外のオアシスのそばで倒れている商人がいたりと、グランバニアほど国=城という構図が顕著ではありません。
他の地域と交流が困難な地形
グランバニアは他の地域と交流することが極度に難しい立地となっています。
最も距離が近い山頂の村チゾットですら断崖絶壁となっている「グランバニアへの洞窟」を抜けなければたどり着くことができません。
そのチゾットも人口が少なく、年中雪に覆われている地域でもあるので、交易を行う相手として心許ない感じは否めません。
さらにチゾットから苦労して「チゾットへの山道」を下ったとしても同じ大陸の南側にはネッドの宿屋があるぐらいで町や村は存在していません。つまり、陸路だけでは他の地域との交流ができないのです。
では、海路ではどうでしょうか?
これもやっかいで、確かにグランバニアの北側の湖から船を出せば外海へ出ることは可能ですが、浅瀬が多く航海に適しているとは言えない環境です。
グランバニアに港のような施設が存在していないことからも、海路を通じての他国との交流はされていないと考えるのが自然です。
国が全て城内に収まっている環境上、しっかりした農業を行うことも難しいはず。加えて他の地域から食料を輸入することが難しいので、食糧周りの事情はかなり不安定だと言えます。
このことから、人口を増やすことが難しく国力を落としやすいというリスクが見えてきます。これは国を長期的に存続させる上で致命的な要素と言えるでしょう。
とはいえ、周囲を森に囲まれているため、砂漠と比べると食料を調達する余地はありそうです。
以上、テルパドールが抱えるリスクと比べたら若干マシというレベルではありますが、グランバニアを2位に位置付けさせていただきました。
第3位:ラインハット
最後はラインハットです。ストーリー上最も早くに訪れることになる国でヘンリーの祖国。ヘンリーとデールの王位継承問題中にヘンリーの誘拐事件発生。後にニセ太后による国の乗っ取りで危機にさらされますが、主人公の活躍により平和を取り戻します。
1位と2位は僅差でしたが、ラインハットは圧倒的に国家存続に有利な条件が揃っています。具体的にどういった点で有利なのか見ていきましょう。
恵まれた地形
人が生きていく上で欠かせない水場が近くにある上、周囲を豊かな森や山で囲まれながらも平地が大陸の西側までつながっており、往来に適した恵まれた環境となっています。
3国の中で唯一関所が存在しており、ラインハットの関所以東は全てラインハット領土であると思われます。この地域は圧倒的な広さを誇る上、山・森・平地がバランスよく存在し、モンスターも余り強くないという好条件を兼ね備えています。
他の地域との交流が容易
上述した関所の存在から、人の往来が活発であることは間違いありません。陸路だけでもサンタローズ、オラクルベリー、アルカパ。さらにビスタ港を通じて海を渡る環境も整っており、ポートセルミやルラフェン、さらにもう少し足を伸ばしてサラボナなどとの交易も容易に行えそうです。
テルパドールやグランバニアと違って城下町が発展しているのも商業の発達に有利な条件であると言えますね。グランバニアのように国が城の内部だけで完結していると城を守るには有利ですが、自由に出入りしにくいという点で商業の発展にとってはマイナスです。
この点、ラインハットは外部からの敵の侵攻には弱い構造かもしれませんが、周囲のモンスターが弱いという点と、周囲にラインハット以上の大国はないので人間の軍の侵略というリスクもそれほどなさそうです。
万が一敵からの侵攻を受けた場合でも、ラインハット城は堀に囲まれており、跳ね橋を上げることで城への侵入を防ぐことができるなど、しっかり外部からの侵攻を意識した構造になっています(夜のラインハットでは跳ね橋が上がっており城内に入ることができなくなりますが、まさにあの状態です)
有事の際は国民を城内に避難させてこの体制を取ることで、十分有利に防戦できると言えるでしょう。
テルパドールやグランバニアのように欠点らしい欠点もなく、今回のテーマ「存続の危うい国ランキング」では断トツの最下位です。
番外編:メダル王の城
王様が存在するという意味では、メダル王の城も1つの国だと言えるかもしれません。それでも今回上の3国と同列に挙げなかったのは国名がないからです。
テルパドール、グランバニア、ラインハットの3国は
- デール王の城
- [主人公]王の城
- アイシス王の城
とはなっていません。明確に国名が付けられています。このことから、メダル王は「自称王様」的な側面が強いと考えられます。
また、軍隊を持っていないというのも国らしくない理由の1つ。上記3国は全て兵士が国内にいて、軍としての体を成している様子が確認できますが、メダル王の城はそのような様子は見て取れません。
それでも簡単に考察してみると、緑豊かな南国の地なので、食糧は豊富にありそうな雰囲気です。
陸続きで行ける場所に他の町がないため他の地域との交流は難しそうなものの、「旅人が世界中から小さなメダルを持ってくるのを待っている」という性質上、割と旅人が訪れる機会はあるのかもしれません。その旅人たちからもたらされる各地の交易品も生活の糧にできそうですね。
旅人を歓迎しながらも軍事力がないという点では、盗賊などに狙われた時に防ぐ手立てがないというリスクはありそうですが、それを除けば小規模ながら良い条件に恵まれているのではないでしょうか。
まとめ
ラインハットが圧倒的に恵まれた環境にある一方、テルパドールやグランバニアは国家存続に不利な条件が重なっており、長期にわたって国家を存続させることは難しい▼