ドラクエ考察はくぶつかん

ゲーム内では語られていない疑問点について考察します。ネタバレ注意。

マダンテよりラナルータの方が強力であることを証明する

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最近のドラクエではどんどん新しい強力な呪文が登場してきていますが、今でも「最強の呪文は?」と聞かれると「マダンテ」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

ドラゴンクエストシリーズに登場する攻撃呪文。6~9、PS・DS版4 などに登場。
遙か昔、偉大な賢者が生み出したと言われる究極の呪文。

参考:マダンテとは - はてなキーワード

ドラクエ6で初登場したこの呪文。「全てのMPを消費して敵全体に大ダメージを与える」という圧倒的なインパクトに当時ものすごく興奮した記憶があります。

 

そんな圧倒的破壊力を誇るマダンテですが、実はマダンテの初登場より前のシリーズから登場している呪文でもっと強力なものがあります。

それがラナルータ。この呪文がマダンテを遥かに凌ぐほど強力である理由を解説します。

ラナルータとは

ドラゴンクエストシリーズに登場する移動用呪文。3・4・5に登場。
昼夜を逆転させる呪文。昼(朝・夕方含む)に唱えれば夜になり、夜に唱えれば朝になる。

参考:ラナルータとは - はてなキーワード

 勇者の都合で昼夜逆転させられるとか、一般人にとっては迷惑極まりないな!と思ったことのある方も多いはず。

影響力が強い呪文であることは明白ですが、マダンテと比較しても強力であるという説明をするために、ラナルータの原理についてもう少し掘り下げていきます。

 

昼夜逆転の理屈

昼夜が一瞬で逆転するという現象を、まずは我々の住む地球上で考えてみましょう。

改めて説明するまでもありませんが、地球は球体であるため、太陽の光が全ての面を同時に照らすことはありません。日の光が当たっている側が昼。当たらない側が夜となります。

また、地球は地軸を中心におよそ24時間周期で自転しているため、1日の間に太陽の当たる面と当たらない面が交互に現れ、「昼と夜」という概念が成立するわけですね。(白夜などの例外もありますが)

 

では、ドラクエの世界ではどうでしょうか。

ドラクエの世界がどのような形をしているのかゲーム中では分かりませんが、地図の端へ到達すると反対側の端へ出るという現象がヒントになります。

この現象から推察すると、ドラクエの世界も地球と同じ球体であると考えるのが自然だと思います。

※追記※

以下の記事を読んで気付かされましたが、地図の北へ抜けると南へ出るという事象を考えると、球体ではないですね。訂正します。

【ドラクエ11漫画】クリアしても解けないマップの謎の話 : えむふじんがあらわれた

ドーナツ型だと説明されていますが、確かにそう考えると矛盾が生じません。

東に向けて進むと地図の西側に出てくるというのは現実世界でもそうなので説明できますが、現実世界では北にまっすぐ向かって南に出ることはありません。この事象を説明可能なのがドーナツ型というわけです。

 

ドーナツ型だと解釈しても以下の昼夜逆転の原理はそのまま適用できますので、球体と考えていた時と同じ記述で残しておきます。

※追記ここまで※

この前提を踏まえた上で、「一瞬で昼夜を逆転させる」を達成する方法は以下の2つが考えられます。

 

昼夜逆転の方法

可能性1:惑星を高速で回転させる

地球を例に考えた場合、昼と夜が一瞬で入れ替わるとは、地軸を一瞬で180度回転させるということに他なりません。

これがいかに大規模なエネルギーを扱う行為かは想像に難くありません。

 

地球が自らの自転で発生する遠心力によって楕円形に変形していることは有名な話です。

地球の形状を考えるとき、平均的な海水面を大陸にも延長した仮想的な形状「ジオイド」を想定する。ジオイドにもっとも近い形状の回転楕円体を地球楕円体という。地球は回転しているので自らの遠心力で楕円体になるのである。

参考:サイエンスジャーナル : 地球はゴムまり?「遠心力による変形」「天体引力による弾性変形」

惑星規模で発生する遠心力は惑星自身を変形させるほど大きな力だと捉えて差支えないと思います。

また、遠心力を求める公式は以下のようになっています。

m = v2/r

  • m:等速円運動をしている物体の質量
  • v:等速円運動をしている物体の速度
  • r:等速円運動されている円の半径

参考:遠心力公式と求め方が誰でもすぐに簡単にわかる!|受験のミカタ

 つまり、速度の二乗に比例しているわけですね。

地軸を一瞬で180度回転させるという現象では質量と半径は変わりませんから、純粋に速度の変化だけで遠心力の大きさが計算されます。

仮に1秒で昼夜を逆転させていると仮定した場合、通常昼夜の逆転にかかる時間を12時間とすると、12時間は

12×60×60=43200(秒)

であるので、通常の43200倍の速度で自転させるということになります。この時、遠心力の大きさは

43200×43200=1866240000

単純計算で、普通に自転する場合の18億倍以上の力がかかるということになります。

 

もはや数字が大きすぎて想像すらつきません。ここまでになると楕円形になるというレベルでは済まないのではないでしょうか。

マダンテがいかに周囲一帯を吹き飛ばす魔法だとしても、惑星全体に影響を及ぼすほどの力はないはずです。これがマダンテよりラナルータの方が強力であるとする根拠の1つとなります。

 

可能性2:時間を止める

しかし、惑星を高速で回転させるというのは少し非現実的な気もします。18億倍以上の力で回転させて、本当に惑星が無事で済むのでしょうか。

そこで、ラナルータの原理として考えられるもう1つの可能性を提示します。

それは、全ての生物の時間を止め、半日経過した後に動き出させるというものです。こうすると、生物に対しては一瞬で夜になったかのように錯覚させることができるため、見た目上の呪文の効果としては同じです。惑星に過剰な負担をかけることもありません。

イメージとしてはドラクエ3で登場したノアニールの村(※1)のような雰囲気が近いですね。

 

※1:エルフの力によって村人ほぼ全員が数年にわたって眠らされていた村。主人公たちの活躍で村人全員が目を覚ました時、彼らにはその数年間の記憶は一切ありませんでした。

参考:【ノアニール】 - ドラゴンクエスト大辞典を作ろうぜ!!第三版 Wiki*

 

実際にゲーム中でこのような演出があるので、ラナルータの効果もこちらの可能性の方がドラクエの世界観とマッチしているような気がします。

ここで時間を止めるのを生物限定としたのは、生物以外の時を止めてしまうと惑星の自転も止まってしまうためです。

ただ、この場合生物以外のモノ・・・例えば突然建物が崩れて時が止まっている人に直撃したような場合、時間が止まっている人が意識のないうちに命を落とすといった現象が起こり得るのがネックです。

まあ、ここは時間を止める範囲をどう定義するかによるので、多少ご都合主義になりますが、惑星の自転を止めずに世界の全ての物体の時を止めるだとか、そういった考え方も可能ではあります。

 

そして、この場合も世界全体の時を止めるという大規模な現象を扱うことになるので、ある意味で惑星を高速で回転させることと同じぐらい強力な効果を持っていると言えるでしょう。

上でも述べた通り、マダンテは世界全体に影響を及ぼすほどの力はありません。どちらにしてもラナルータの方が圧倒的に影響力が強いと言うことができます。

 

余談:関連アイテム『やみのランプ』

またラナルータと似たような効果を持つアイテムとして、昼を夜に変える効果を持つ「やみのランプ」というアイテムが登場するシリーズもあります。

僕は、やみのランプがが昼夜を逆転させる原理はラナルータとは全く別物であると考えます。

それは以下の説明文から読み取ることが可能です。

火を灯すと暗闇が辺りに染み出すという不思議なランプ

参考:【やみのランプ】 - ドラゴンクエスト大辞典を作ろうぜ!!第三版 Wiki*

確か公式の攻略本にもこのような説明文が書かれていたと記憶しています。

『暗闇が辺りに染み出す』という文から推察するに、上で見てきたように惑星を高速回転させたり、時間を止めたりということはしていないように思えます。

ランプから暗闇が染み出してきて周囲を覆ってしまうというイメージ。つまり、暗闇で上空を覆うことで太陽の光を遮っているのではないかと思います。もちろん、ただの暗闇だと空が暗くなるだけなので、夜を成立させるような特殊な暗闇を発生させているのでしょう。

 

ちなみに、惑星の反対側の元々夜だった地域はどうなるのか?これは夜のままだと考えます。ランプから暗闇が染み出すのでは、惑星の反対側を夜から昼に変えることの説明がつきません。なので、一時的に世界中の全ての地域が夜になってしまうという不可解な状態を作り出すアイテムだと想像しています。

まとめ

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