ドラクエ考察はくぶつかん

ゲーム内では語られていない疑問点について考察します。ネタバレ注意。

ドルマゲスはなぜ太陽の鏡を破壊しなかったのか考察する

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ドラクエ8の物語の中盤。

闇の遺跡に逃げ込んだドルマゲスを追う一連のイベントの流れを見ていると、ドルマゲスの行動にはどうしても不可解な点があります。

それは、サザンビークの宝物庫に侵入までしておきながら、太陽の鏡を破壊せず、持ち逃げもせず、魔力を奪うだけに留めたという点。この理由について考察します。

背景

  • マスター・ライラス
  • サーベルト
  • オディロ修道院長
  • ギャリング

七賢者の末裔のうち、既に半分以上の命を奪うことに成功し、その魔力を我が物としたドルマゲス。しかし、その力が余りに強大なばかりにドルマゲス自身の体にも相当な負荷がかかっていたことが分かります。

そこで、消耗した体を癒す場所として選ばれたのが闇の遺跡。闇の結界の存在により、外部からの侵入者を一切寄せ付けないという天然の要塞で、外敵を気にせず傷を癒すには最適の場所です。

 

そんな闇の遺跡に侵入する唯一の方法がサザンビーク王家に伝わる秘宝「太陽の鏡」の力で闇の結界を打ち破るというもの。

ドルマゲスは先手を打ち、闇の遺跡に立て籠もる前にサザンビーク城に侵入し、太陽の鏡に込められた魔力を奪うことで安全を確保しようとしました。

 

太陽の鏡を破壊しなかった理由

わざわざ闇の遺跡に向かう前にサザンビークに立ち寄っておきながら、なぜドルマゲスは太陽の鏡を破壊しなかったのでしょうか。

ここで破壊しなかったばかりに、自分の傷が癒える前に主人公たちが太陽の鏡に魔力を取り戻し、闇の遺跡内部まで追ってくるという事態を招いてしまいます。

 

この結果から、どう考えても鏡そのものを放置したのは悪手だったと思うのですが、そこに何か合理的な理由はあったのか考えてみます。

仮定1:鏡を破壊することによるリスクを恐れた

太陽の鏡のエネルギーは殺傷能力を秘めている

太陽の鏡で闇の結界を破るイベントを見た直後、ククールが「鏡の前にいたら焼け死ぬところだった」という旨の発言をします。

このことから、鏡に込められた太陽の魔力は殺傷能力を秘めるほど強力なものであることが分かります。

 

鏡の魔力を奪ったドルマゲスですが、それでも鏡を破壊することで鏡から放たれるしっぺ返しを喰らうことを恐れたのではないでしょうか。

サザンビーク城の学者が、魔力の失われた鏡を見て「これではただの鏡と変わらない」と言うことから、本当にただの鏡に成り下がっていた可能性が高く、破壊したところで何も起こらないと考える方が自然ですが、学者やドルマゲスでも感知できないほどの魔力が鏡の中に残っており、破壊することでそれが暴走するという可能性もなくはありません。

 

念には念を入れて魔力を奪うに留めたというわけです。

また、これだけしておけば十分闇の遺跡への侵入を防げると鷹を括っていた部分もあるでしょう。

 

闇の遺跡まで持ち帰るという選択肢

破壊によるリスクを恐れたのなら、破壊せずに奪って手元に置いておくという方法もあったのでは?という考え方もできます。

こうすれば、絶対に闇の遺跡の内部に侵入されることはありませんでした。

 

なぜそうしなかったのか、なかなか腑に落ちる理由が浮かびません。

無理やりこじつけるなら邪な者が触れられないような結界で守られていたといったところでしょうか。

仮定2:新しい強力な宿主を求めていた

闇の遺跡までイベントを進めると、ドルマゲスが実は杖の意思に操られているだけの宿主に過ぎないという事実が少しずつ明らかになってきます。

杖に宿る意思・・・つまり、暗黒神ラプソーンの意思は4人の賢者の末裔を葬ることで得た力だけで限界が近付いてきたドルマゲスの体では、残り3人の力を手に入れた際に耐えられる器ではないと見限っていたのではないでしょうか。

 

太陽の鏡の魔力を奪うことで、ドルマゲスの体が癒える時間を稼げればひとまずはそれで良し。そこでもし万が一、太陽の鏡を復活させ、闇の遺跡まで追ってくるほどの強者が現れれば次はその人物を宿主とできればなお良しという作戦だったのかもしれません。

実際、この次の宿主は七賢者の血を引き、強力な魔力を持つゼシカが選ばれます。

 

つまり、次の宿主に相応しい人物をふるいにかけるためにあえて太陽の鏡を復活させる余地を残しておいたというわけです。

ただ、この場合目的の人物が必ずしも杖に触れるとは限りません。物語上、ゼシカが杖を手にしたのも偶然です。

運の要素が強く、とても合理的な作戦とは思えません。

仮定3:サザンビークとの対立を恐れた

サザンビークは作中屈指の大国です。

城の秘宝である太陽の鏡が破壊されたり、ましてや奪われたとなっては、当然国の威信をかけて犯人を捕まえようとするでしょう。

そうなると、ドルマゲスは無駄に敵を増やすことになります。それを避けるためにあえて鏡を破壊しなかったというのはなかなか合理的ではないでしょうか。

 

実際、鏡そのものに手を付けないことでサザンビークでは「何も盗られなくてよかったよかった」という状態になっていましたので、この仮定が正しいとするならドルマゲスの目論見は見事に成功していたと言えるでしょう。

 

ただ、トロデーン城を一夜で壊滅させるほどの力を持ったドルマゲスにとって、果たしてサザンビークという国が恐れるほどの相手であったかどうかは疑問です。

サザンビークを敵に回すリスクと、太陽の鏡を破壊しないリスクを天秤にかけた時、僅かに前者の方が勝ったということかもしれません。

まとめ

以上、太陽の鏡を破壊しなかった理由に対して3つの視点から仮定を挙げさせていただきました。

正直なところ、どの仮定が正しかろうと太陽の鏡を破壊(または奪取)して闇の遺跡の態勢を磐石にした方が堅実だっただろうというのが結論です。

また、個人的には「仮定3:サザンビークとの対立を恐れた」が最も合理的だと思っているので、持論としてはこちらを推します。